撮影の記録

【撮影】自分が大事にしている「つくりこむ」「つくりこまない」の定義

お客様にはわかりづらい裏側の話ですが自分の備忘録として、最近撮った作品解説と共につらつら書いていきます。

 

撮影をする目的

これは自分は新規集客として携えていないところがあり、よくある商業的なヘアカタログとしてのフォトとはまた違った位置づけで取り組んでいます。

特に意識したいのは「美容師として持っている自分の世界観を具現化するもの」であり、それは美容師それぞれの価値観があって、だからこそ面白く、今まで築き上げた自分イズムを発揮できる場所が撮影なだけなんです。

 

自分の表現したい目標とするイメージこそが正解だから、人の作品にとやかく言う筋合いなんてあるはずも無く、人の正解に当てはまる必要性も無いと思ってます。

 

そしてなにより

自分のお客様に活かせリンクさせることで撮影の価値を高める。

 

普段の仕事と撮影を結びつけ、創作とサロンワークを切り離さないことが大事なんだと思ってやっています。

また違ったスタンスの美容師の方ももちろんいてはると思いますのでそれこそ正解は無いです。

 

でも、普段のサロンワークですべてのお客様の髪を「自分の作品」と思いながら、上手くいったなと思ってニヤニヤしながら仕事をするのが好きです。(気持ち悪いですが)

ニヤニヤするには、それこそ撮影を続けてやってないとアンテナが枯れてしまうので自分は継続してないとダメなんです。

もともとからセンスが備わっていればまだいいのでしょうがそうもいかないのが辛いところです…

 

そして1人1人1日1日を流れ作業にせず、デザインを楽しむことが美容師を長く楽しむ秘訣だとも思います。

 

髪をつくり込むことの美学

それは一束一束にこだわって髪をつくり込むこと。

大胆に巻き、繊細なタッチでほぐします。その時に顔まわり、襟足、フォルムのバランス、毛束の躍動感などに注意を払います。

 

こんな丁寧に上手にお客様は作れません。でもね

 

いいんです(無責任と思われそう…)

 

つくり込むことは自分がまがいなりにもではありますが、プロフェッショナルであることのアピールです。

「あ、この人上手そうだな」と思ってもらえたら“しめしめ”なのです。

 

そもそも今時ヘアカタはだいぶ需要が減りました。

他人の顔、骨格に当てはめられたヘアは参考になるようでなりません。

お客様に見せることもほとんど無くなりましたね。

見せてって言われたまにヘアカタ登場しますが、よけい決めかねる魔のスパイラルに突入します…

自分もよそ様の髪型にピンと来にくい

 

兎にも角にも

作品が上手そうな人は自分に似合う髪型にしてくれるかも。といった具合に思ってもらえたら嬉しいです。

 

もちろん、無責任に「今日のヘアはお家で再現できません!」とは言わず、なるべくお客様のスタイリングレベルを汲み取りサロンでのスタイリングアドバイスはさせていただいてます。

「楽なん!」を強調されるお客様も多いですがそれも大歓迎です笑

 

ちなみにこちらの写真は夜でしたが、清々しい様を表現したかったのでストロボを白い紙(トレーシングペーパー)を透過(ディフューズ)させて撮りました。

自分の中ではこのライティングはここ何年かの基本スタイルにしています。

白バックは絶対ですね。

 

自分印を込めること

サロンスタイルをつくるにあたって、そしてそれを発信するにあたって「自分印」を出すことはとても重要なんです。

全国で数多く輩出される作品の数々、人の真似やよく見る感じでは埋もれてしまいます。

だからこそそういった部分をどう出すかという研究は大事なのかなと。

うまいなーって人は本当にそうゆうとこ凄い。といつも感心しています。

 

スタイルを発信してる人って美容師全体の30%ぐらい?もっと少ない?でしょうか。

特に郊外は少ないし大手チェーン店に殺されないよう、なにかしら発信するだけでもチャンスや恩恵はあるのかなーと思います。

 

こちらは「ビタチョコ系」なイメージでやりました。

求める世界観は名前の通りです。

去年から使ってるダークブラウンの背景紙ですが、使ってる人が自分が見てる中にはいてなくて気に入っています。

なんかこっくりした風合いでこの季節にピッタリです。

去年 意気揚々とこの背景紙でやっていたらしばらくして別の方がやっているのを発見してしまい1年以上使うのやめてましたがもうやってないようなので復活です。

人と被るのが嫌いです。

そして先発はしつこいのでまた復活です笑

だって好きだったんですもん。これ。

 

ヘアは先ほどのスタイルよりもボリュームを出しました。

その方が背景に合います。

 

写真はこういった深い、濃い背景の時はスポットで光を当てた方がしっくりくるのでオパライトという機材を簡単ではありますがカスタマイズして使っています。

 

つくり込まない方が現代的ではある

髪を「つくり込まない」のではなく「計算してつくり込んだ感じを出さないようにした」と言った方が正確です。

よく言う「リアル」「アンニュイ」「エフォートレス」的な感じです。

ほんとにつくり込まないだけだったら素人でもできますから。

下手したら素人の方が上手いんじゃないかって思う作品だけは避けたいところです…

 

余談ですが吉村調べによると

上手い美容師さんのお客様はセルフスタイリングが上手い人が多いです。

(そういったお客様は全然そんな大したこと何もしてへんよー!とおっしゃられるのでしょうが)

 

こちらは「GISELe系」なイメージでやりました。

ある意味「つくり込まない」のは1番難しい…

オシャレなハウススタジオで環境に助けてほしくなりますが、無いモノは無いので仕方ありません。

自力で頑張るしか無いのです。

 

写真としては白バックですが影を強調したかったのでスピードライト(クリップオンストロボ)をオンカメラで直当てです。

オシャレになりやすいと勝手に思ってる撮り方です。

 

まとめ

とそんな感じで3パターン。(文字多め)

モデルさんに助けられた部分は置いといて、撮影をするにあたっていろいろ考えてるんだなーと再確認。

自戒をこめての備忘録でした。

撮影を通して得られたサロン外の仕事も多々ありますし、それもまた現代美容師の働き方としてとても有意義なものです。

 

もっともっと上手くなりたい

という向上心はこれからも枯らさず励みます。


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